ロシアの個人資産の83%、10%の富裕層に集中

スイス銀行大手のクレディ・スイスはこのほど発表した2019年世界資産調査レポート、でロシアの個人資産総額3兆1,000億ドルの83%が国内人口の10%を占める富裕層に集中しているとの推計を示した。ドル建て億万長者数は昨年調査時点(6月)の74人から110人に急増した。

ロシアの富裕層の国内資産保有率は米国の76%、中国の60%を上回り、同国の貧富の差の大きさが際立つ。資産格差を示すジニ係数は87.9で、米国の85.2、インドの83.2、ブラジル84.9を上回る。保有資産額が1万ドル未満のロシア国民の比率は79%で、世界平均よりもほぼ20%多い。資産額が1万~10万ドルの比率は18%で、世界平均の30%超を大きく下回る。

クレディ・スイスは今年6月に、世界51億人の資産調査を行った。世界の総資産額は1年前より2.6%増の360兆ドルに増えた。このうち世界人口の10%を占める富裕層が82%を、1%に相当する超富裕層が45%を保有する。1人当たりの世界平均保有資産額は1.2%増の7万849ドルで、調査を始めた10年間で最高となった。

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