高級白物家電大手の独ミーレは30日、人員削減方針を発表した。低価格を武器とするアジア競合の攻勢や景気低迷に対応するとともに、将来に向けた投資資金を確保することが狙い。全世界の従業員(2万200人)の5%に当たる1,070人を整理する。
同社は白物家電の枠を超えて新たな事業分野を開拓するとともに、デジタル分野のノウハウを販売・マーケティング分野で拡充し、競争力を引き上げていく。また、事業を8ユニットに再編したうえで、各ユニットの経営陣に権限と責任を移譲する。これにより意思決定の短縮化を図る。
財務の安定を保ちながら将来に向けた投資資金を確保するために、年コストを約1億9,000万ユーロ圧縮する。このために材料費のほか、人件費も削減する意向だ。
人員整理は販管部門で実施する。2021年末までにドイツで240人、そのほかの国で830人を予定している。経営上の理由による整理解雇は可能な限り回避する方向。
ミーレはデジタル分野のノウハウ強化や新事業の開拓に向けて470人を新規採用することから、純ベースの人員削減規模は600人となる。