ロシア産天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ新パイプライン「トルコ・ストリーム」建設事業で、ブルガリアとセルビアの国内区間の整備が2020年末までに完了する見通しだ。ロシアのプーチン大統領が10月30日、訪問先のハンガリー・ブダペストでオルバン首相との会談後に明らかにした。21年後半のハンガリーへのガス供給開始を視野に入れ、来年初めにも同国国内区間の工事に着手する可能性にも言及した。
トルコとセルビアのパイプライン中継国に当たるブルガリアでは10月初め、サウジアラビアのアルカド・エンジニアリング・コンストラクションと同社のイタリア合弁会社アルカドABBが国内区間の整備に着手した。セルビアでは4月に着工している。
トルコ・ストリームは、ロシアから黒海を経由して欧州側のトルコ沿岸に至る930キロメートルの海底ルートと、上陸地点から近隣諸国の国境までを結ぶ180キロメートルの陸上ルートから成る。輸送管はトルコ国内顧客用とブルガリア・セルビア経由での欧州顧客用の2本で、輸送能力は各157億5,000万立方メートル。年内にトルコへの供給を開始する見通しだ。