次世代NAS電池研究で日本ガイシがBASFと協業

日本ガイシは7日、次世代ナトリウム硫黄電池(NAS電池)を化学大手の独BASFと共同研究することで合意したと発表した。BASFとの間では日本ガイシ製の大容量電力貯蔵システム「NAS電池」の販売提携契約を6月に締結したばかり。今回の合意により協力関係を拡大する。

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池。大容量、高エネルギー密度、長寿命を特徴としているため、短時間・高出力を特徴とするリチウムイオン電池など他の蓄電池に比べて、長時間にわたり高出力の電力を安定して供給する定置用蓄電池に適している。大容量の電力を貯蔵し長時間にわたり放電することが可能で、発電量が天候に大きく左右される風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力変動を緩和、安定化することができる。

両社はそれぞれが、長年にわたり蓄積した電池開発のノウハウを持ち寄ることで相乗効果を引き出す意向だ。具体的にはBASFが持つ広範な化学技術と、日本ガイシが持つ電池のシステム設計・製造技術を活用して、次世代電池を開発。新たな蓄電池市場の開拓を目指す。

日本ガイシ電力事業本部の市岡立美NAS事業部長は「次世代ナトリウム硫黄電池の開発にあたっては、セル単位の化学技術とモジュール単位の設計技術を組み合わせ、電池システム全体の最適化を図ることがますます重要となっています。BASF社の化学技術と当社の電池システムに関する設計・製造ノウハウは補完関係にあります」と述べた。

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