米格付け大手フィッチ・レーティングスは1日、トルコの長期信用格付けを「BBマイナス」に据え置くとともに、見通しを「弱含み」から「安定的」に引き上げた。経常収支の改善、外貨準備高拡大、経済成長、インフレ率低下などが評価された。フィッチは7月、中央銀行総裁の更迭が経済悪化につながる懸念から、同格付けを「B1」から「BBマイナス」に引き下げ、見通しを「弱含み」としていた。
フィッチは、「トルコ経済は再びバランスを取り戻して安定化してきている」と指摘。世界的な低金利や、トルコ軍によるシリア介入に対する経済制裁を米国が解除したことなど、外的圧力も弱まったことも好材料として挙げた。
フィッチはまた、今年のトルコの国内総生産(GDP)伸び率も前回予測のマイナス0.5%からプラス0.3%に上方修正した。4-6月期が市場予想のマイナス2.0%に対しマイナス1.5%にとどまり、前期比でも1.2%と回復を示したことが理由だ。中期予測は2020年が3.1%、21年は3.6%で据え置いた。