自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が19日発表した10月のグループ新車販売台数は前年同月比12.2%増の94万9,800台となり、2カ月連続で大きく拡大した。足元の欧州が2ケタ増となったほか、世界最大の市場である中国でも堅調を保った。
西欧は30.7%増の29万9,600台へと拡大した。欧州連合(EU)では排ガス検査方式が昨年9月に厳格化された影響で、その後数カ月、販売台数が激減しており、その反動が出た格好だ。ドイツ本国は41.5%の伸びを記録した。
中東欧は7.5%増の7万1,000台で、ロシアは3.7%増の2万2,100台だった。
アジア太平洋は41万3,300台となり、前年同月を5.6%上回った。同地販売の大半を占める中国は市場が縮小したにもかかわらず、6.6%増の38万9,300台へと拡大した。
北米は0.9%増の8万400台と小幅な伸びにとどまった。メキシコが13.0%落ち込んで足を強く引っ張った格好。米国は5.8%増の5万3,200台へと拡大した。
南米は1.2%減の5万3,800台となり、主要地域のなかで唯一、落ち込んだ。アルゼンチン市場の低迷が足を強く引っ張った。同地最大のブラジルは2.9%増えた。
主要ブランドの販売実績をみると、乗用車のポルシェ(42.7%増)、セアト(31.4%増)、アウディ(26.8%増)は2ケタ台の伸びを記録した。VWブランド乗用車は8.8%増、シュコダは5.9%増だった。商用車はスカニアが8.4%、VWブランド商用車が5.0%、MANが0.6%の幅で伸びた。
1〜10月のグループ販売台数は前年同期比0.2%減の895万5,000台とやや縮小した。アジア太平洋が2.9%、北米が1.2%後退。中国は1.8%減の334万4,400台へと落ち込んだ。西欧は3.5%、中東欧は0.4%、南米は2.0%の幅で増えた。
ブランド別ではセアト(11.1%増)、ポルシェ(6.3%増)、スカニア(8.8%増)、MAN(6.1%増)が増加。VWブランド乗用車(1.2%減)、アウディ(1.2%減)、シュコダ(1.9%減)は減少した。VWブランド商用車は横ばいだった。