独金融サービス大手のワイヤーカードは11日、オランダのデジタル地図大手ヒア・テクノロジーズのモビリティ事業分野であるヒア・モビリティと戦略提携したと発表した。ワイヤーカードの金融分野のデジタル技術とヒア・モビリティのサービスを統合した法人および個人向け(B2B2C)の決済・モビリティーサービスを提供する。両社は2020年初めに米ラスベガスで開催される家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で最初の製品を発表する予定。
両社は例えば、自動車を予約すると同時に、目的地の近くのレストランを予約するといったサービスを計画している。モビリティーサービスと決済サービスの組み合わせは例えば、航空会社、ホテル、レストラン、スポーツ会場など、旅行業界やレジャー業界に需要があると見込んでいる。ワイヤーカードは将来、ヒア・モビリティのすべてのサービスの決済に対応する方針。
ワイヤーカードは、新しいメガトレンドとして移動関連の商取引「コマース・オン・ザ・ムーブ(Commerce
on
the
Move)」に注目している。ヒア・モビリティのサービスをすべてワイヤーカードのプラットフォームを介して提供した場合、トランザクション規模が年平均で100億ユーロを超えると見込んでいる。
ヒア・モビリティはあらゆる交通サービス事業者向けにスマートモビリティ・マーケットプレイスを提供しており、欧州、米国、ラテンアメリカで約200万台の車両がヒア・モビリティのマーケットプレイスに接続している。
両社は最初のプロジェクトとして、ワイヤーカードのデジタルバンキング・決済アプリ「boon.PLANET」にヒア・モビリティのマーケットプレイスを統合する計画。これにより、「boon.PLANET」の利用者は将来、当該アプリの中で、ヒア・モビリティのサービスを使って予約や支払いを行うことができる。