独モーターショー、会場外イベント重視へ

独自動車工業会(VDA)は22日、乗用車を対象とするモーターショーの新コンセプトを発表した。見本市会場での展示・イベントに限られていた従来のあり方を改め、会場外でもイベントを実施。幅広い消費者の関心を引き起こす考えだ。

VDAはIAAという名のモーターショーを主催している。偶数年に乗用車のモーターショー、奇数年に商用車のモーターショーを開催する。

乗用車のIAAは1951年以降、一貫してフランクフルトで開催されてきた。だが、近年は出展数と来場者数がともに縮小。今年は出展数が2年前の前回を20%下回る800、来場者数が30%以上減の56万人強へと大きく後退した。

VDAはこれを受けて9月、スタンドでの展示を中心とした従来型の見本市コンセプトを見直すとともに、開催都市の変更を検討する方針を打ち出した。

今回のコンセプトはこれを受けて作成したもので、これまで見本市会場に限られていた新モデルや試作車の試乗といった体験イベントを、今後は路上やアリーナに設置した特設会場で提供していく。

また、(1)自動車に批判的な市民との対話・討論を都市中心部で行う(2)メーカーのテスト用電気自動車(EV)などが運行する区間を設置してモーターショー訪問者が移動に利用できるようにする――方針も打ち出した。(2)の区間内に設置された充電施設などのインフラはモーターショーの終了後も残し、地元で活用できるようにする。

次回の開催都市は来年初頭に決定する予定。これまでにフランクフルトのほか、ベルリン、ミュンヘン、ケルン、ハンブルク、シュツットガルトが名乗りを上げている。

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