ロシアで2日、「外国エージェント法」の対象を個人に広げる追加規定が発効した。これにより、団体や報道機関だけでなく、ブロガーやジャーナリストにも直接規制が及ぶこととなり、人権団体などから「言論・報道の自由をさらに脅かすもの」として強い批判を受けている。
「外国エージェント法」は2012年に発効した。外国から資金を得る非政府組織(NGO)に対し、「外国エージェント」として登録し、収支や財務責任者を定期的に報告することを義務付けた。
17年には米国がロシア政府系メディアのRTとスプートニクへの規制を強めたことへの報復として、やはり外国から資金を得るメディアに「外国エージェント法」の適用を広げた。これにより米国のラジオ・リバティ/ラジオ・フリーヨーロッパ、ボイス・オブ・アメリカなどが「外国エージェント」と定義された。
今回の法改正は、さらに一歩踏み込み、外国から資金を得ている個人や、「外国エージェント」とされる団体・報道機関のメディア媒体に記事や意見を投稿したり、媒体の配布に携わった人物も「外国エージェント」と定義できるようにした。抜き打ち検査など、当局による監視・規制が可能になり、自由にモノが言えない雰囲気が強まると予想される。
改正法案は先月に下院を通過。ヒューマン・ライト・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナルなど10の人権団体が撤回を求めていた。