ハンガリー政府は11月27日、中国最大手銀行の中国工商銀行(ICBC)と戦略提携を交わした。同行のグー・シュー副頭取とともに合意書に調印したヴァルガ財務相は、同合意を「両国の金融分野のつながりを強化する重要な一歩」と説明した。
提携合意によると、ICBCはハンガリー政府の人民元建て国債の発行に積極的に関わり、同通貨建ての国際取引やインフラプロジェクトの資金調達を支援する。ICBCは、中国政府が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」の具現化プロジェクトの資金調達などを視野に、同国に代表事務所を開設することも検討している。
ヴァルガ財務相は9月、ハンガリーの外国直接投資(FDI)で近年、中国が欧州域外で第4の投資国に躍進したことに言及し、「両国の関係で金融提携は急成長分野のひとつ」と強調した。すでに国営中国銀行との提携、アジアインフラ投資銀行(AIIB)のプロジェクトへの参加、ハンガリー最大手銀OTPの北京代表事務所開設などで関係を深めている。