ロシア独自の決済カード「ミール」、西欧での普及拡大へ

ロシア独自のカード決済システム「ミール(Mir)」が西欧諸国での普及に乗り出す。11月27日にロンドンで開催された英露ビジネスフォーラムで明らかにされた。オンライン決済サービスを欧州全域で展開する英ペイ・エキスパート(PayXpert、ロンドン)が、まずは国内でミールカードを利用したパイロットプロジェクトを開始する。

ペイ・エキスパートの関係者は、企業がミールの決済システムを利用することで1億4,700万人のロシア市場や東欧諸国の顧客を取り込めるようになると述べた。ミールカードはすでに6,970万枚が発行されている。

「ミール」はロシア中央銀行直轄の決済機関である国家決済カードシステム(NPCS)の決済カードブランド。同国では2014年、米クレジットカード大手のビザとマスターが、対ロ制裁の対象となった2銀行と取引を停止した。これを受けて政府は独自決済システムの構築を計画し、同年末にNPCSを設立。15年4月からは新システムの稼働を開始し、同年5月にはミールカードの発行計画を明らかにしていた。同年7月にはロシア市場での地盤拡大を目指すJCBがNPCSと「ミール」発行で提携を決めている。

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