電機業界の新規受注10月も減少、景況感は改善

独電気電子工業会(ZVEI)がこのほど発表した独業界の10月の新規受注高は前年同月比5.3%減となり、これまでに引き続き落ち込んだ。国内受注が11.0%減少。ユーロ圏(ドイツを除く)も同9.0%縮小した。ユーロ圏外は4.4%増加し、2カ月連続で改善した。

1~10月の累計も前年同期を2.2%割り込んだ。ユーロ圏が4.5%縮小。国内とユーロ圏外もそれぞれ3.0%、0.1%後退した。

10月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を4.2%下回った。需要の減少が反映された格好。1~10月の累計も前年同期比で3.6%縮小した。

10月(第4四半期初頭)の工場稼働率は83.6%で、7月(第2四半期初頭)の84.2%を0.6ポイント割り込んだ。

11月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の11.4%から11.3へとやや減少した。ただ、「縮小」が同26,4%から21.7%へと減ったことから、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス15.4ポイントからマイナス10.7ポイントへと好転した。

同DIを部門別でみると、マイナス幅は娯楽家電(-52.9ポイント)、照明(-37.9ポイント)、電気駆動装置(-36.5ポイント)、電線(-34.9ポイント)で特に大きかった。情報機器(+26.2ポイント)、医療機器(+19.0ポイント)は良好だった。

10月の業界売上高は165億ユーロで、前年同月を4.0%下回った。国内が9.9%減少して足を強く引っ張った格好。ユーロ圏は2.3%、ユーロ圏外は1.4%増加した。

1~10月の売上高は1,591億ユーロで、前年同期を0.9%割り込んだ。国内が1.7%、ユーロ圏外が0.4%縮小。ユーロ圏は0.3%増とわずかながら拡大した。

11月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス13.3からマイナス5.5へと改善した(同指数がマイナスとなるのは5カ月連続)。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)がマイナス23.1ポイントからマイナス7.4ポイントへと大幅に改善したことが大きい。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)もマイナス2.9ポイントからマイナス2.5ポイントへとやや上昇した。

景況感指数が特に振るわなかった部門は照明(-48.9)、電線(-28.5)、鉄道車両(-26.8)、娯楽家電(-25.1)、電気駆動装置(-20.0)、配線システム(-15.8)で、照明は期待指数と現状判断のマイナス幅がともに大きかった。電線は期待指数、鉄道車両と娯楽家電は現状判断、配線システムは期待指数が足を強く引っ張った。情報機器(+36.2)と医療機器(+21.0)の景況感指数はこれまでに引き続きは良好だった。

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