ドイツ連邦陸運局(KBA)が6日発表した2019年の乗用車新車登録台数は前年比5.0%増の360万7,258台となり、09年以来10年ぶりの高水準を記録した。社用・公用車としての登録が8.1%増えて全体をけん引。マイカーとしての登録は0.4%減少した。シェアは社用・公用車が65.5%、マイカーが34.5%だった。
動力源別でみると、伸び率が大きかったのは環境対応車で、ハイブリッド車(HV)は83.7%増の23万9,250台へと拡大。シェアは前年の3.8%から6.6%へと広がった。購入補助金が支給されるプラグインハイブリッド車(PHV)は44.2%増の4万5,348台で、シェアは1.3%(前年0.9%)。電気自動車(EV)は75.5%増の6万3,281台で、シェアは1.0%から1.8%に拡大した。
ガソリン車の割合は59.2%で、前年の62.4%から3.2ポイント低下。ディーゼル車も32.3%から32.0%へと0.3ポイント縮小した。シェアは0.3%と小さいものの、液化石油ガス車は55.6%増と急拡大した。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)は平均157.0グラムだった。
新車のカラーでシェアが最も大きかったのはグレーで、30.3%(前年29.5%)に上った。2位はブラックで24.8%(同24.8%)、3位はホワイトで20.6%(20.9%)だった。
車種別のシェアではSUVが18.3%から21.1%へと拡大し、コンパクトカーを抜いて初めて首位に立った。コンパクトカーは22.0%から20.5%へと低下し、2位に転落。3位は小型車で13.5%(前年14.5%)だった。伸び率はSUVとオフロード車で特に高く、それぞれ21.0%、20.3%に上った。
ブランド別でみて伸び率が最も大きかったのはEV専門のテスラで、462.3%増の1万711台へと拡大した。2位はレクサスで29.7%増の3,587台、3位はスマートで19.6%増の4万9,138台だった。双竜(17.8%増の2,870台)、ボルボ(17.5%増の5万3,357台)、セアト(13.9%増の13万8,670台)、現代(12.7%増の12万9,508台)、ダチア(11.6%増の8万35台)、フォード(10.9%増の27万9,719台)も2ケタ台の伸びを記録した。
ドイツ車はオペル(5.3%減の21万5,864台)とミニ(0.9%減の5万19台)を除いてすべて増加した。各ブランドの実績はポルシェが9.5%増の3万1,433台、メルセデスが6.3%増の33万9,185台、BMWが5.4%増の27万9,243台、アウディが4.7%増の26万7,195台、VWが3.7%増の66万7,518台だった。
レクサス以外の日本車ではスズキ(8.2%増の4万616台)、マツダ(6.3%増の7万1,630台)、三菱(2.6%増の5万2,148台)、トヨタ(0.7%増の8万4,498台)が増加。ホンダ(16.2%減の1万5,676台)、スバル(19.5%減の5,868台)、日産(21.6%減の3万9,500台)は振るわなかった。トヨタ車に占めるハイブリッド車の割合は4ポイント増の約58%に拡大した。
日本車以外の主な輸入ブランドではフィアット(9.3%増の8万9,005台)、プジョー(6.6%増の7万2,709台)、シトロエン(6.5%増の5万8,840台)、起亜(5.8%増の6万9,608台)、シュコダ(5.7%増の20万8,171台)、ルノー(0.2%増の13万1,138台)が増加。ジープ(3.3%減の1万6,563台)、ランドローバー(4.4%減の1万7,348台)、ジャガー(8.4%減の8,703台)、アルファロメオ(23.7%減の4,146台)、DS(23.7%減の2,846台)は落ち込んだ。
シェアはVWがダントツで大きく、18.5%に達した。これにメルセデスが9.4%、フォードが7.8%、BMWが7.7%、アウディが7.4%で続いた。輸入車ではVW傘下のシュコダ(5.8%)とセアト(3.8%)がトップツーを占め、これにルノーと現代が3.6%で続いた。日本車はトヨタの2.3%が最高で、マツダは2.0%、三菱は1.4%、スズキと日産は1.1%、ホンダは0.4%、スバルは0.2%、レクサスは0.1%だった。
12月単月の乗用車新車登録台数は前年同月比19.5%増の28万3,380台となり、4カ月連続で拡大した。欧州連合(EU)では排ガス検査方式が18年9月に厳格化された影響で同年9月以降、前年同月を下回る月が続いたことから、19年9月からはその反動で増加している。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した19年の国内乗用車生産台数は466万1,800台で、前年を9%下回った。輸出台数は13%減の348万500台。12月は生産台数が前年同月比7%減の27万6,400台、輸出台数が14%減の21万3,400台だった。