英政府は14日、経営危機に直面する同国の地域航空会社フライビーの救済策で株主と合意したと発表した。株主が追加で資金を注入するほか、政府が航空旅客税(APD)の納付延期を一時的に認め、同社の存続を支援する。
フライビーはイングランド南西部のエクセター空港を拠点に、英国の地方路線や欧州路線を運航する航空会社。英国最大の地域航空会社で、地方路線の半数以上を運航している。燃料コストの増大などで経営が悪化し、2019年に英ヴァージン・アトランティック航空が率いる企業連合のコネクト・エアウェイズに買収された。それでも経営が改善せず、資金繰りが悪化し、破綻の危機に陥っていた。
ジョンソン政権はフライビーが地域航空を支え、国内の地方空港の多くが同社に依存していることから、救済を模索。株主が追加の資金注入を行うことを条件に、APD納付の延期を認めることで合意した。資金注入額は明らかにされていないが、ロイター通信などは数千万ポンド規模と報じている。これによって同社が当面、営業を続けることができるようになった。
APDは環境対策として、英国内の空港から出発する旅客から徴収するもの。片道13ポンドが課される。片道運賃が平均52ポンドのフライビーの旅客にとっては大きな負担となる。このため同社は、鉄道や長距離バスに旅客を奪われるとして撤廃を求めていた。
英政府は今回、同社を特別扱いするだけでなく、国内路線全体でAPDを見直すことを約束。3月発表の予算案に具体策を盛り込む方針を打ち出した。