スロバキアの自動車生産数、昨年は110万台超

スロバキア自動車工業会(ZAP)が先ごろ発表した2019年の同国の自動車生産台数は110万台を上回り、前年からわずかに増加した。工業生産高に占める自動車産業のシェアは49.5%、輸出総額比では46.6%だった。同産業の雇用者数は17万7,000人で、関連産業と合わせると27万5,000人に上る。

昨年に正規ディーラーを通じて輸入された自動車の新規登録台数は11万3,863台で、2018年から1,998台増えた。個人輸入された車両の登録台数は6万8,155台。総登録台数に対する新車輸入車の割合は59.8%だった。新車登録から15年を経過した中古車の輸入は引き続き増えており、安全性に加え汚染物質の排出や環境への影響が懸念されている。

ZAPのマツセク会長は、同国の自動車産業が競争力を維持するためにはさらなる努力が必要だとした上で、産業競争力を削ぐような政府の政策について懸念を表明した。具体的課題として同会長は、最低賃金の決定の際に社会的な議論の場が十分用意されていないことや、労働コストの増大、産業界への補償が行われないまま政策措置が導入されていることなどを挙げた。

ZAPの別の関係者は、熟練労働者の大幅な不足や賃金の急速な上昇のほか、技術移転を円滑に行うための仕組みが構築されていないことや、新しいモビリティシステムの開発の遅れなどを課題に挙げた。

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