自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は22日付の適時開示情報で、2019年12月期の営業利益(EBIT)が56億ユーロとなり、前期の111億ユーロから半減する見通しを明らかにした。ディーゼル車排ガス不正容疑に絡む当局の捜査と裁判で11億~15億ユーロの追加コストが発生する見通しも示しており、EBITは下振れの可能性がある。追加コストの発生は主に乗用車のメルセデスベンツとバンで見込まれるとしている。
追加コスト加味前のEBIT(56億ユーロ)を部門別でみると、主力の乗用車は前期の72億ユーロから37億ユーロに半減し、バンは3億ユーロの黒字から24億ユーロの赤字へと転落する。トラックは11%減の25億ユーロ、バスは横ばいの3億ユーロ。移動サービスは50%増えて21億ユーロとなる。
同社は第4四半期(10~12月)に一時的な費用として約6億ユーロを計上することも明らかにした。バンの製品ポートフォリオ見直しで3億ユーロ、同業BMWとの移動サービス合弁であるユア・ナウ・グループの再編で3億ユーロを計上する。
同社はディーゼル車排ガス不正疑惑とタカタ製エアバックのリコール拡大、バンの製品ポートフォリオ見直しで第2四半期(4~6月)に総額42億ユーロの特別費を計上し、10年ぶりに営業赤字(EBIT)へと転落した。これが12月通期の利益を強く圧迫する。