ルフトハンザ―メンテナンス子会社のIPO検討か―

航空大手の独ルフトハンザ(フランクフルト)がメンテナンス子会社ルフトハンザ・テヒニクの新規株式公開(IPO)を検討しているもようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙などが報じたもので、同子会社の事業資金獲得のほか、ルフトハンザ本体の時価総額引上げの狙いがある。検討は初期段階にあり、最終決定は下されていないという。

ルフトハンザ・テヒニクは売上高が59億ユーロで、その40%をルフトハンザグループ向け、残り60%を外部企業向けのサービスで獲得している。市場資金を調達すると、メンテナンス事業のデジタル化や競合の買収を行うことができる。

ルフトハンザはIPOの実施後も同子会社の過半数株を保持する考えという。FAZ紙によると、放出規模は最大30%にとどまるものの、時価総額が75億ユーロ程度と試算さていることから、まとまった資金を調達できる。

ルフトハンザは様々な分野の事業を展開する複合企業(コングロマリット)。こうした企業に対する市場の評価は低く、同社の時価総額は低迷している。保有する機材の時価が150億ユーロに上るにもかかわらず、時価総額は69億ユーロにとどまる。

同社はこの問題を解消するために、機内食子会社LSGグループの売却方針を決めるなど事業の整理に乗り出すとともに、持ち株会社化の方向で検討を行っている。ルフトハンザ・テヒニクのIPOは持ち株会社化に向けた重要な一歩と目されており、同IPO観測が浮上した23日にはルフトハンザ株が一時、3%以上、上昇した。

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