PGL―独コンドル航空を買収―

LOTポーランド航空を傘下に収めるポーランド国営の航空持ち株会社ポーリッシュ・アヴィエーション・グループ(PGL)が、経営破綻した英旅行大手トーマス・クックのドイツ子会社コンドル航空を買収する。取引額は明らかにされていないが、つなぎ融資の返済分を含め、6億ユーロ前後とみられている。独紙『フランクフルター・アルゲマイネ』などが25日に報じた。

PGLはコンドル航空を存続させ、ドイツでの地位強化・欧州市場開拓を推進する方針だ。ただ、伝統的な定期便運行会社であるLOTと観光地便に強いコンドル航空とは事業内容に差があり、今回の取引がシナジー効果を生むかどうか、疑問視する声も聞かれる。ドイツのフラッグキャリアであるルフトハンザ航空は、旧子会社のコンドル航空と乗り継ぎ便運航などで緊密に提携しており、同社の出方が今後のコンドルの業績を左右しそうだ。

コンドル航空は黒字企業だが、親会社の経営破綻で資金繰りがにわかに悪化した。このため、親会社と切り離した形で経営再建を行う「保護措置」の適用を受けて、身売り先を探していた。ドイツ政府と、本社のあるヘッセン州の政府から3億8,000万ユーロのつなぎ融資の保証を受けていた。

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