トラック大手の伊イベコは6日、同社と伊パワートレイン大手FPTインダストリアル、米スタートアップ企業ニコラ・モーターズの合弁会社がニコラの電気自動車(BEV)と水素燃料電池車(FCEV)を西南ドイツのウルム市にあるイベコの工場で生産すると発表した。大型トラック「ニコラTRE」を欧州市場向けに製造する。
ウルム工場に4,000万ユーロを投じ生産施設を近代化したうえで、まずはBEVモデルを2021年第1四半期から生産。同年中に顧客への引き渡しを開始する。FCEVの市場投入は23年を計画している。
ニコラTREは9月に開催されるIAAハノーバー国際モーターショーでプロトタイプが公開される予定。イベコの新しいプラットホーム「IVECO S-WAY」を採用する。
ウルムに白羽の矢を立てた理由をイベコは◇同市があるバーデン・ヴュルテンベルク州は自動車産業が盛んなうえ、高い能力を持つ人材が多い◇燃料電池の研究や開発が盛んに行われている——ためだと説明した。ドイツ政府が水素経済の実現に向けた戦略の策定を進めていることも決定を後押ししたとしている。