スウェーデン産業機械大手のアトラスコプコは10日、画像処理や表面検査製品の有力企業である独イスラ・ビジョンを買収することで合意したと発表した。マシンビジョン市場に参入して産業オートメーション事業を強化する狙い。
イスラの経営陣と株主から株式およそ35%を譲り受けることで合意した。残り約65%は株式公開買い付け(TOB)で取得する。買い付け価格は1株当たり現金50ユーロ。これは過去3カ月間の加重平均株価を29%、前営業日に当たる7日の終値を43%上回る水準。アトラスコプコはTOBの終了後、イスラの上場を廃止する意向だ。
マシンビジョンは画像の取り込みと処理に基づいて機器を動作させるシステムで、工場の自動化を実現する技術の1つ。イスラは高性能カメラとソフトウエアを組み合わせた製品を自動車、包装材、ガラス、太陽光モジュールなど幅広い業界に提供している。世界的に幅広い分野で事業を展開するアトラスコプコの傘下に入ることで、半導体やプロセス技術など新たな顧客産業を開拓し、成長を加速する考えだ。