英乗用車生産、2019年は14.2%減少・3年連続で減少 1/3

英自動車工業会(SMMT)は1月30日、2019年通期の同国の乗用車生産が130万3,135台となり、前年に比べ14.2%減少したと発表した。生産台数の減少は3年連続となる。SMMTは生産台数の減少について、消費者や法人の信頼感の低迷、国外の主要市場の需要低迷、モデルチェンジ、欧州におけるディーゼル車離れなど、複数の要因が影響したと分析。また、2019年3月末と10月末の英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の可能性に備えて、自動車メーカーが工場の生産ラインを停止したことも影響した、と指摘している。

2019年の乗用車生産の内訳は、国内向けが前年比12.3%減の24万7,138台、輸出向けも14.7%減の105万5,997台と大きく後退した。輸出は、英国の乗用車生産の80%以上を占めている。

2019年の国・地域別の輸出では、EU27カ国の割合が54.8%と最も大きかった。EU向けの輸出は前年に比べ11.1%減少している。2番目の輸出先は米国で、前年に比べ9.8%減少、市場シェアは18.9%だった。中国への輸出は26.4%減少、市場シェアは5.3%だった。日本向けも17.7%減少しており、市場シェアは3.2%だった。(次頁の表参照)

SMMTによると、自動車分野のアナリストの予想では、2020年の通期生産は127万台となる見通し。昨年11月時点のアナリスト予想(132万台)から大きく落ち込んでいる。

商用車生産、2019年は7.8%減少

SMMTによると、英国の2019年の商用車生産は、前年比7.8%減の7万8,270台に減少した。国内向けが7.0%減の3万2,160台、輸出向けも8.4%減の4万6,110台と低迷した。

SMMTによると、モデルチェンジ、変動のあるフリートの購入パターン、規制問題などが影響した。

2019年の商用車生産のうち、輸出が占める割合は約60%。輸出の94.6%はEU向けだった。

エンジン生産、6.2%減

2019年のエンジン生産も、前年比7.2%減の252万165基と低迷した。内訳は、国内向けが9.1%減の93万7,815基、輸出向けも6.0%減の158万2,350基にとどまった。

乗用車生産の減少に伴うエンジンの需要減少や英国の合意なきEU離脱に備えた自動車メーカーの生産停止などが影響した。

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