ドイツ連邦統計局が7日発表した2019年の輸出高(暫定値)は1兆3,276億ユーロとなり、これまでに引き続き過去最高を更新したものの、伸び率は前年の3.0%から0.8%へと縮小した。世界経済の低迷が反映された格好。仕向け先別ではユーロ圏外が2.2%増の5,503億ユーロに拡大したのに対し、ユーロ圏は0.1%減の4,918億ユーロ、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国は0.4%減の2,855億ユーロへと落ち込んだ。輸出に占める各地域の割合はユーロ圏が37.0%、EUのユーロ非加盟国が21.5%、EU域外が41.5%だった。
輸入高(暫定値)も1.4%増の1兆1,041億ユーロへと拡大したものの、伸び率は前年の5.6%から縮小した。景気低迷を受けて国内製造業の需要が弱含んだほか、輸入物価が1.0%下落したことが背景にある。輸入高に占める輸入先地域の内訳はユーロ圏が37.1%、EUのユーロ非加盟国が20.1%、EU域外が42.8%だった。
経常収支は2,662億ユーロの黒字となり、黒字幅は前年を8.2%上回った。輸出高から輸入高を引いた貿易黒字は前年比2.2%減の2,236億ユーロへと落ち込んだものの、国外投資で得られる収益を示す第一次所得収支などの黒字が増えて、全体が押し上げられた。
19年12月の輸出高(同)は980億ユーロとなり、前年同月を2.3%上回った。輸入高は1.2%増の828億ユーロで、貿易黒字は7.8%増の152億ユーロに拡大。経常黒字は31.8%増の294億ユーロへと大幅に伸びた。