独カーシェアリング業界団体BCSは18日、カーシェアリングサービスが提供されている自治体の数が1月1日時点で840となり、前年同日から13.5%(100自治体)増えたと発表した。特定の設置場所で借受・返却する「ステーション型」が全体を押し上げた格好。指定した区域内であれば借受・返却の場所を選ばず自由に利用できる「フリーフロート」型は18都市から17都市へとやや減少した。
事業者数はステーション型が219社に上るのに対し、フリーフロート型は7社(ステーション型との混合型サービス事業者を除く)にとどまった。フリーフロート型サービスは資本力を要することから、小規模事業者には参入の壁が高いという事情が背景にある。
ステーション型の事業者が提供する車両の数は7.1%(800台)増の1万2,000台へと拡大。合計の会員数も6万人増えて71万人となった。
フリーフロート型の車両数は48.9%増(4,400台)増の1万3,400台(うち1,020台は混合型サービス)と急拡大した。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が「ウイ・シェア」、レンタカー大手ジクストが「ジクスト・シェア」のブランド名で新規参入したことが大きい。
フリーフロート型の会員数は計229万人で、前年同日(181万人)を26.5%上回った。この数字にはダイムラー傘下の「カー2ゴー」とBMW傘下の「ドライブ・ナウ」の合併で設立された新会社、「シェアナウ」への登録移管手続きが済んでいない会員(23万人)が含まれておらず、フリーフロート型サービスの実際の会員総数は229万人よりも多い。
フリーフロート型の最大手はシェアナウで、これにジクスト・シェア、ウイ・シェアが続いた。
近年はステーション型とフリーフロート型サービスを一手に提供する混合型事業者が増えている。かつてのステーション型事業者がフリーフロート型も手がけるようになっているためだ。混合型事業者が保有する車両の数は1,020台増えて1万3,400台となった。
住民1,000人当たりのカーシェア車両が最も多い都市はカールスルーエで、3.23台に上った。2位のミュンヘン(2.13台)を大きく引き離している。3位のハンブルク(1.61台)、4位のベルリン(1.60台)、5位のフライブルク(1.59台)は互いに僅差で競っている。