英RBS銀、社名を「ナットウエスト」に変更

英大手銀行ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は14日、社名を「ナットウエスト・グループ」に変更すると発表した。ナットウエストはRBSが2000年に買収したナショナル・ウエストミンスター銀行の略称。金融危機で経営破綻寸前まで追い込まれたRBSは、その悪いイメージを払しょくするため、主力銀行となっているナットウエストのブランド名に変える。

RBSは2008年の世界金融危機で経営不安に陥り、英政府が08年から09年にかけて総額455億ポンド(約6兆5,000億円)の公的資金を注入して救済し、国営化した。現在も政府が株式の62%を保有している。

ナットウエストはRBSの主力部門で、顧客の80%がRBSではなくナットウエストと取引している。RBSが海外事業を縮小したことで、世界的なブランドとして通用しなくなったこともあって、ナットウエストに変更することを決めた。これによって293年前から続くRBSのブランド名が、本拠地のスコットランドを除いて消滅する。

社名変更は19年11月に就任したアリソン・ローズ最高経営責任者(CEO)が発表した。ローズCEOは同時に、赤字が続く投資銀行部門のナットウエスト・マーケッツのリスク資産圧縮、石炭火力発電所への融資を30年までに中止するといった環境金融を拡大する戦略などを打ち出し、生まれ変わりをアピールした。

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