ロシアの化学肥料大手ユーロケムはこのほど、エストニア北東部のシッラマエでアンモニアターミナルを開設した。国境を挟んだロシア側にあるキニゼップ工場への原料供給が目的で、年間で100万トンの生産能力を整備する。投資額は明らかにされていないが、以前の報道では約6,500万ユーロと伝えられていた。
新設したアンモニアターミナルは子会社のユーロケム・ターミナル・シッラマエが運営する。同社は石油化学原料の取り扱いを中核事業としている。シッラマエではこのほか、ロシア石油化学大手アクロン(Akron)子会社のDBTも年産量100万トンのアンモニアターミナルを運営している。
ユーロケムは世界10大肥料メーカーの1社。傘下企業として、ロシアのネビノムイスキー・アゾチ(Nevinnomysskij
Azot)、ノボモスコフスキー・アゾチ(Novomoskovskij
Azot)、コフドルスキーGOK(Kovdorskij
GOK)、ユーロケム・セベロ・ザパト(EvroKhim
Severo-Zapad)、フォスフォリト(Fosforit)、ユーロケム・ボルガカリー(EvroKhim-VolgaKalij)、ユーロケムBMU(EvroKhim
BMU)、リトアニアのリフォサ(Lifosa)、カザフスタンのユーロケム・ウドブレニヤ(EvroKhim-Udobreniya)、ベルギーのユーロケム・アントワーペン(EuroChem
Antwerpen)、ブラジルのファーティライザンテス・トカンティンス(Fertilizantes
Tocantins)を持つ。2019年度の売上高は前年比11%増の61億8,400万米ドル、純利益は89%増の10億1,800万ドルだった。