米電気自動車(EV)大手テスラがベルリン近郊のグリュンハイデで工場建設向けて開始した森林伐採に対しベルリン・ブランデンブルク高等裁判所は15日、仮差し止め命令を言い渡した。テスラは今月末までの伐採作業完了を計画しているが、作業はすでに進展し3日もあれば完了できるとこから、裁判官は環境保護団体の訴えを認め作業の暫定停止を命じた。
テスラは昨年11月、グリュンハイデに工場を建設する計画を発表した。EVと電動パワートレイン、電池を生産する計画。建設に向けて森林92ヘクタールの伐採許可を取る必要があり、現在、環境影響評価手続きが行われている。
同手続きは完了していないものの、地元ブランデンブルク州環境庁は13日、森林伐採の開始を許可。同社は直ちに伐採に乗り出した。環境影響評価手続きで工場建設が認められなかった場合は、元の状態に戻さなければならない。
環境保護団体は工場建設には反対していないものの、環境影響調査の終了前に伐採を開始したことを問題視し、裁判所に仮差し止めを申請。フランクフルト・アン・デア・オーデル地方裁判所は棄却したものの、ベルリン・ブラウンシュヴァイク高裁は申請を認める決定を下した。