新型肺炎が消費者景況感に影

市場調査大手GfKが20日発表したドイツ消費者景況感指数の3月向け予測値は2月の確定値(9.9)を0.1ポイント下回る9.8へと低下した。同指数の悪化は2カ月ぶり。中国を中心に流行する新型コロナウイルスによる肺炎の流行が影を落としている。GfKの調査担当者は「ウイルスが引き起こした中国での企業の生産減少・停止はドイツの生産にも波及し、操業停止に発展する可能性がある」と指摘。そうした事態に陥ると操短や人員整理が行われる恐れがあることから、消費者の間に懸念が出始めていると述べた。

肺炎流行の影響が明確に出たのは所得の見通しに関する2月の指数(3月向け予測値の算出基準の1つ)で、前月の44.6から41.2へと3.4ポイント下落した。操短や人員整理の対象になると収入が減るという事情が大きい。同指数の水準自体は雇用の安定や年金支給額の増加見通しを受けて高い水準を保っている。

所得見通しの悪化を受けて、高額商品の購入意欲に関する2月の指数(同)も1.9ポイント減53.6へと落ち込んだ。こちらも水準自体は極めて高く、消費性向に新型肺炎の直接の影響は出ていない。

景気の見通しに関する2月の指数(同)は4.9ポイント増の1.2となり、長年の平均であるゼロを久しぶりに上回った。同指数の改善は2カ月連続。昨年秋を直近の底に上昇基調が続いている。

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