伊タイヤ大手ピレリが最新シミュレーター導入、リードタイムを30%短縮

伊タイヤ大手のピレリは12日、ミラノにある研究開発拠点に最新のタイヤ開発シミュレーターを導入したと発表した。デジタル技術を活かした開発手法によりリードタイムを最大30%短縮できるほか、物理的な試作品を減らすことで環境負荷を低減できる。自動車レースの最高峰フォーミュラ・ワン(F1)などを通じて同社が培ってきた知見をもとに、主に高級車用タイヤの開発に活用する。

新シミュレーターは日本のヴイアイグレード(VI-grade)社製。210度を取り囲む直径7.5メートルのパノラマスクリーンと、実際の車を模した操縦席で構成される。公道またはサーキットの走行環境を再現し、シートやハンドルなどの振動などをリアルに体験できるという。自動車メーカーから実際の車両の提供を受けたり、自社内でテスト車両を製作したりしていた従来の開発手法と異なり、任意の自動車モデルのデータをシステムに取り込んでテストできるため、より迅速な開発と試作品数の削減が可能となる。

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