化学大手の独コベストロは26日、電動車向けの軽量材料をトヨタ紡織と共同開発したと発表した。トヨタ自動車の電気自動車(EV)コンセプトカー「LQ」でドアトリムに採用される。
ケナフ繊維をベースとする軽量ケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットを共同開発した。
1平方メートル当たりの重量を、ドアトリムに必要な実用強度を持つ基材としては世界で初めて1キログラム未満に抑制している。従来のドアトリム材に比べ30%以上、軽い。
ケナフはアオイ科の植物で、東南アジアやバングラデシュ、インド、アフリカなど多くの地域で栽培されている。成長速度が速く短期間で多くの繊維を収穫できることから、価格が低い。機能性が高いという強みもあることから近年、注目を集めている。
トヨタ紡織との共同開発は兵庫県尼崎市にあるコベストロのイノベーション・センターで行われた。同センターの井戸博章自動車材料開発部長は、「この度のトヨタ紡織との新規開発は、特に軽量でサステナブルな自動車のデザインに大きな貢献ができると思っています。コベストロが推進するサーキュラー・エコノミー、そして代替原料の活用を実現する好例を日本のイノベーション・センターから提供することができました」と述べた。