新型肺炎は新たな足かせ要因に、BASFが減益を排除せず

化学大手の独BASFは28日の決算発表で、2020年12月期の営業利益(EBIT、特別要因を除く)が19年12月期実績の45億3,600万ユーロを割り込む可能性があることを明らかにした。米中の通商摩擦と主要顧客産業である自動車の低迷に加えて、新たに新型肺炎が大きなリスク要因として浮上してきたためだ。20年12月期のEBIT(同)を42億〜48億ユーロと予想しており、減益を視野に入れている。

19年12月期のEBIT(同)は前期比27.8%減となり、2期連続で落ち込んだ。ケミカル部門(石油化学、中間体)が50%、マテリアル部門(機能性材料、モノマー)が58%減少し足を強く引っ張った格好。農業化学部門は49%増、産業ソリューション部門(ディスパージョン&顔料、パフォーマンスケミカルズ)は23%増、表面技術部門(触媒、コーティング剤)は17%増、栄養・ケア製品部門(ケアケミカルズ、栄養&健康)は8%増と好調だった。売上高は1.5%減って593億1,600万ユーロとなった。

株主帰属の純利益は78.9%増の84億2,100万ユーロと大幅に拡大した。石油・天然ガス開発大手のDEAと合併した子会社ヴィンタースハルを連結対象から切り離したことで帳簿上の利益を約57億ユーロ計上したことが背景にある。

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