オランダに本社を置くドイツ系のバイオインフォマティクス大手キアゲンは3日、科学機器・試薬大手の米サーモフィッシャーサイエンティフィックが同社を買収することで合意したと発表した。事業の補完性が高いことからシナジー効果を引き出せると両社はみている。
サーモフィッシャーは株式公開買い付け(TOB)を実施し、キアゲンを1株当たり39ユーロで買収する。これは前日終値を約23%上回る水準で、同社を225億ドル(104億ユーロ)と評価した格好。75%以上の株式確保をTOBの成立条件としている。来年上半期の買収手続き完了を見込む。
キアゲンは1984年に独デュッセルドルフで設立された企業。97年にフランクフルト証券取引所で新規株式公開(IPO)を行った。現在は持ち株会社の本社を蘭フェンローに置くものの、実務の統括拠点はデュッセルドルフ近郊のヒルデンにある。
昨年は業績の下方修正を数度、行った。ペーター・シャッツ社長が10月に突然、辞任すると、複数の企業から買収の打診を受けたものの、12月の時点では自力で事業を拡大していく意向を示していた。同年の売上高は15億3,000万ドルで、ドイツのバイオ企業では最も大きい。従業員数は5,100人に上る。