化学大手の独ヘンケル(デュッセルドルフ)は5日の決算発表で、売上高で計10億ユーロ強の事業・ブランドに問題があるとして、その半分を売却ないし停止する方針を打ち出した。同社の戦略に合致するかどうか、および利益率と持続可能性目標の基準に基づいて選別を行う。
経営陣はこのほか、◇広告、デジタル化、IT投資を増やす◇
製造のカーボンフットプリントを今後5年で3分の2以上、削減する◇包装材を今後5年ですべてリサイクルないし再利用可能にする――方針を明らかにした。これら一連の措置により中長期的に、内部成長ベースの売上高を年2~4%拡大するとともに、特別費などを除いたベースの1株利益(定率為替ベース)で1ケタ台半ば~後半の伸びを安定的に確保する意向だ。
2019年12月期決算の営業利益(EBIT、調整済み)は前期比7.9%減の32億2,000万ユーロへと落ち込んだ。厳しい価格競争にさらされるビューティー部門が特に振るわなかった。純利益は9.6%減の23億5,300万ユーロ。売上高は1.1%増の201億1,400万ユーロに拡大したものの、内部成長ベースでは横ばいにとどまった。売上高営業利益率(調整済みのEBITベース)は17.6%から16.0%へと低下。特別費などを除いたベースの1株利益(定率為替ベース)は10.1%落ち込んだ。
20年12月期は内部成長ベースの売上高で横ばい~2%増、売上高営業利益率で約15%、特別費などを除いたベースの1株利益(同)で1ケタ台半ば~後半の減少を見込む。