独自動車照明・電子部品大手のヘラーは10日、グローバル高級車メーカー向けに、一つのヘッドライトで世界のどの地域の法規制にも対応できるワールド照明ソリューションを開発したと発表した。高輝度固体照明(SSL/HD)技術を活用した次世代ヘッドライト「SSL100」をソフトウエアで制御することにより、最大12種類のヘッドライト仕様に対応できるようになる。SSL100は今年夏に市場投入する予定。
ヘッドライトに関する規制は地域や国によって異なっている。例えば、米国がロービームで自車線と対向車線の両方を照らすのに対し、欧州では対向車に幻惑を与えないようにするため自車線のみを照射する仕様となっている。加えて、右・左ハンドルの違いも考慮しなければならず、ヘラーではこれまで12種類のヘッドライトシステムを用意する必要があった。
ヘラーはこの問題に対処するため、ライトの光源のLED素子を個別制御する技術を開発。各国の法規制に応じて制御用ソフトを書き換えるだけで照射方法や配光、明るさなどを設定できるようにした。ライトのモジュールが一つで済むため、開発や生産、物流コストを大幅に削減できる。
「SSL100」のライトモジュールは年央からメキシコで、年末から中国の工場で生産を開始する予定という。