独見本市会社ドイチェ・メッセは4日、世界最大の産業見本市「ハノーバーメッセ」を今年は断念すると発表した。同見本市の開催中止は73年の歴史の中で初めて。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて移動や市民間の接触制限、イベント禁止措置が取られていることから、開催は不可能と判断した。次回開催は来年4月となる。
今年のハノーバーメッセは当初、4月20~24日に予定されていた。だが、新型コロナの感染者が中国だけでなくドイツなど欧州でも急速に増えたことからドイチェ・メッセは3月4日、7月13~17日への延期を決めた。その後、感染拡大のスピードが加速度的に早まったことを受けて、ドイツ政府と州政府は市民の移動や経済活動の自由を制限する措置を矢継ぎ早に発動。もはや見本市開催の見通しが立たなくなっている。
人と人が物理的に出会う形での見本市は断念したものの、ドイチェ・メッセは出展者と訪問者がバーチャルで接触したり、インタラクティブな専門家インタビューやシンポジウムのライブストリーミングを配信したりするプラットホームを通して最大限の穴埋めを行う意向だ。