ドイツ企業の92%が新型コロナウイルス流行の悪影響をすでに受けていることが、独商工会議所連合会(DIHK)の緊急アンケート調査で分かった。「経営破綻の恐れがある」との回答も18%と多く、エリック・シュヴァイツァー会長は「危機は劇的に先鋭化している」と指摘。コロナ危機に決然と対処しなければ「歴史的な規模の経済的な損失を被ることになる」と警鐘を鳴らした。
DIHKは24~26日の3日間、会員企業およそ1万5,000社を対象にアンケートを実施した。回答企業の業種は製造が19%、建設が6%、小売が12%、卸売が7%、運輸・倉庫が4%、旅行が4%、宿泊・飲食が9%、ヘルスケアが3%、その他が36%となっている。
新型コロナの悪影響を受けているとの回答が特に多かった業種は宿泊・飲食と旅行で、それぞれ99.9%、99.5%に達した。これに「対人サービス(医療や教育など人に対する直接的なサービス)」(94.6%)、小売(94.4%)、運輸・倉庫(93.3%)が続いた。製造は88.9%と高いものの、経済界全体の平均(92%)をやや下回っている。
「売上高が今年減少する」との回答は81%に上った。50%超の減収を予想するのは26%、同25~50%は26%、10~25%は23%、10%以下は6%となっている。増収予想は2%に過ぎず、横ばいも3%にとどまった。14%は「現時点で予測できない」と答えたものの、独企業の92%が新型コロナの影響を受けていることを踏まえると、同回答企業の多くは漠然とではあるものの減収を見込んでいるとみられる。
新型コロナ流行の具体的な影響としては「受注の減少」との回答が最も多く、63%に上った。これに「受注のキャンセル」が48%、「事業活動の停止」が43%、「資金繰りの悪化」が41%、「投資の縮小」が38%で続いた。「物流の支障」は20%。「自社の国内生産の停止」は6%にとどまったものの、全回答企業に占める製造業の割合が18%であることを踏まえると、メーカーの3分の1で生産に支障が出ていることになる。
政府の企業支援策で特に重要な措置としては「補助金の速やかな給付」が69%で最も多く、僅差で「操短手当」(68%)が続いた。「税金の支払い猶予」も60%と多い。「政策金融機関の(低利)融資」は31%だった。