EU財政規律の適用を一時停止、加盟国が承認

EU加盟国は23日に開いた財務相会合で、新型コロナウイルスの感染拡大による危機に対応するため、EU加盟国の財政赤字を厳しく制限する財政規律の適用を一時的に停止することを承認した。これによって各国は新型コロナウイルス対策に無制限で財政出動できるようになる。

欧州では新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、市民の健康が脅かされているほか、経済も大きな打撃を受けている。EUの財政規律を定めた安定成長協定は、各国に毎年の財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以内に抑えることなどを義務付けているが、欧州委員会は景気悪化で税収の大幅な落ち込みが予想される中、同ルールに縛られていれば各国が新型コロナウイルス問題に十分に対応できないとして、20日に財政規律の適用停止を加盟国に勧告していた。

これが承認されたことで、例外的な状況では赤字が上限を超えることを容認する「一般免責条項」が発動され、各国は医療体制の拡充など新型コロナウイルス感染封じ込め対策に必要な財政措置を自由に講じることができるようになる。同条項の発動は、2011年に創設されてから初めて。

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