新型コロナ直撃、消費者景況感が大幅悪化

市場調査大手GfKが3月26日発表したドイツ消費者景況感指数の4月向け予測値は3月の確定値(8.3)を5.6ポイント下回る2.7へと大幅に低下した。新型コロナウイルスの感染拡大が響いた格好で、「景気の見通し」「所得の見通し」「高額商品の購入意欲」に関する指数(サブ指数)がすべて大きく落ち込んだ。GfKはこれを受けて、今年の個人消費が1%拡大するとした従来予測を撤回。また、ドイツ経済が景気後退局面に入るのは避けられないとしたうえで、景気がどの程度後退するかは経済がいつ正常化するかにかかっているとの見方を示した。感染拡大を防ぐために政府が導入した営業禁止措置などがいつまで続くかを見通せない現状では個人消費の新たな予測を算出できないとしている。

景気の見通しに関する3月の指数(4月向け予測値の算出基準の1つ)は20.4ポイント減のマイナス19.2となり、長年の平均であるゼロを大幅に割り込んだ。企業の受注減やサプライチェーンの寸断、生産停止が反映された格好だ。

所得の見通しに関する3月の指数(同)も前月の41.2から27.8へと13.4ポイント下落した。操短や人員整理の対象になると収入が減るという事情が大きい。同指数の水準自体はなお高い水準を保っているものの、GfKは今後も大幅下落が続く可能性を排除していない。

高額商品の購入意欲に関する3月の指数(同)は22.2ポイント減31.4となり、2013年6月以来の低水準へと落ち込んだ。

消費者景況感指数は消費者へのアンケート調査をもとに毎月、算出されている。今回の調査期間は3月4~16日で、基本的な生活の維持に不要なサービス事業者への営業停止命令や、外出制限措置がほとんど反映されていない。このため4月下旬に発表する消費者景況感指数の5月向け予測値は一段と悪化する恐れがある。

上部へスクロール