ロベルト・コッホ研究所(RKI)のロタール・ヴィーラー所長は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を鈍化させるために国と州が導入した措置が効果を発揮しているとの見解を発表した。1人の感染者が何人に感染させたかを示す「基本再生産数」は1へと低下したという。1にとどまれば感染者は増えず、1を下回れば減少していくことから、地平線にほのかな明かりが見えてきたもようだ。ただ、ヴィーラー所長は同時に、「わが国は今なおエピデミックの初期段階にあり、警戒を緩めてはならない」と注意を促した。
国内の感染者数は同日、7万9,696人となり、前日に比べ6,174人増えた。増加数は依然として多いものの、感染者数が倍増するスピードは9日となり、前週末の同5日から鈍化した。
政府はこのスピードが10~14日まで鈍ることが、現在行っている外出・接触制限措置などの緩和の前提条件になるとしている。このため、このまま順調に行けば、緩和の前提を満たせることになる。
国内の感染者の平均年齢は3日時点で48歳だった。感染死者(1,017人)の平均年齢は80歳で、感染死者全体の8割を70歳以上が占める。60歳未満の死亡者は55人。
感染者に占める感染死者の割合は1.2%で、3月31日の0.8%から0.4ポイント上昇した。ヴィーラー所長は「さらに多くの人が亡くなり、死亡率も上昇する」との見方を示した。
ドイツの感染者はこれまで若い世代が多かったことから、他の国に比べ死亡率が低かった。最近は介護施設や病院で高齢者の集団感染が発生していることから、今後は感染者の平均年齢が上昇して死亡率が高まる可能性が高い。