生産者物価2カ月連続で下落、石油にコロナ危機の影響

ドイツ連邦統計局が20日発表した3月の生産者物価指数は前年同月比0.8%減となり、2カ月連続で下落した。エネルギーの下げ幅が前月の2.5%から4.7%へと拡大したことが最大の押し下げ要因。エネルギーを除いた生産者物価は0.5%上昇した。

エネルギーでは石油製品が11.5%下落した。新型コロナ危機で需要が減少しているにもかかわらず減産合意を拒んだロシアに圧力をかけるために、サウジアラビアが増産へと踏み切ったことが背景にある。下げ幅は灯油で31.6%、液化石油ガスで22.0%、自動車燃料で9.4%に上った。

天然ガスも11.9%落ち込んだ。産業向けは23.6%、再販事業者向けは14.2%落ち込んだ。

電力は0.7%下落した。エネルギー取引所での取引価格が24.3%低下して足を強く引っ張った格好だ。特別契約顧客向けは3.7%減、再販事業者向けは3.6%減、産業顧客向けは4.6%増だった。

中間財は2.1%減となり、下げ幅は前月の1.6%から拡大した。古紙など非金属二次原料が49.4%減と大きく低下。銑鉄・鉄鋼・鉄合金と穀物粉もそれぞれ8.8%、5.3%下落した。貴金属は23.5%増、生コンクリートは7.9%増、建設用砂利・砂は4.9%増と大きく上昇している。

非耐久消費財は4.2%高くなった。食料品の上げ幅が6.0%と大きかった。豚肉は32.9%、砂糖は17.7%上昇している。バターは17.8%、じゃがいも加工品は8.5%の幅で落ち込んだ。

投資財は1.2%増、耐久消費財は1.5%増だった。

生産者物価指数は前月比では0.8%落ち込み、2009年7月以来の大幅下落となった。エネルギーが3.12%低下して全体を強く押し上げた格好で、エネルギーを除いたベースでは横ばいだった。

3月は新型コロナの感染拡大を背景に消毒液の価格が大きく上昇した。上げ幅は前年同月比で7.6%、前月比で3.4%に上った。

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