ポーランド、コロナウイルス対応策の出口戦略を実施へ

ポーランドがこれまで実施してきたコロナウイルスへの対応策の出口戦略に着手し始めた。4月20日から開始された第1段階には公園などの開放や一部店舗の制限付きの営業などが含まれる。政府は段階的に対応策を緩和することで日常生活への回帰を迅速に進めるとともに、企業に助成金を支給し経済活動の正常化を図る方針だ。

政府は20日から、売場面積が100平方メートルまでの店舗の場合、同時に4人までの顧客が入店できる措置を導入した。より広い店舗については15平方メートル当たり1人とされている。

今後の緩和策の詳細については、政府は感染者数や医療機関の対応能力などの状況に応じて決定する予定だ。第2段階ではホテルなどの滞在施設の営業再開、第3段階では美術館や大型店舗の営業再開などが対象となる。レストランの営業もある程度緩和する。

緩和策の導入に先立ち政府は4月8日から企業に対する大規模な支援措置を実施してきた。同支援策は220億ユーロに上る大規模なもので、コロナウイルスの影響で売上が25%以上減少した企業が対象となる。支援措置を実施するのはポーランド開発基金(PFR)で、割当額は従業員数10人未満の企業が55億ユーロ、10人から250人未満の企業は110億ユーロ、250人以上の企業は55億ユーロとなっている。250人未満の企業については借入金のうち75%までの返済が12カ月間猶予される。その12カ月の間、従業員数が一定に維持されていることが支援の条件だ。

支援措置の最大額は小規模企業の場合、7万2,000ユーロ、中小企業については77万5,000ユーロとなっている。従業員250人以上の企業については助成の種類により金額が異なる。PFRでの申し込み受付は既に開始されている。(https://pfr.pl/tarcza.html、ポーランド語のみ)

国の助成策は早急に必要とされている。ポーランド企業のほぼ5分の1が資金不足に陥っており、その多くは従業員数10人未満の小規模企業だ。ポーランド経済研究所(PIE)が400の企業を対象に行った調査によると、対象企業の30%が手元資金はあるものの1カ月から2カ月で資金不足に陥ると答えている。

一方中堅企業を中心に4分の1の企業は十分な資金を持ち、売り上げが減少する中でも3カ月以上企業活動を継続することができると回答している。この3月に売り上げ幅の減少が大きかった企業には特にサービス産業関連が多かった。

回答した企業の半数は給与の削減を行う意向だ。28%の企業は従業員の解雇も視野に入れている。

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