アジア開発銀行(ADB)は4日、キルギス共和国に対し、総額5,000万米ドルの融資・無償支援を実施することを決定した。新型コロナウイルスの影響緩和に向けた政府の取り組みを後押しするものとなる。
今回の措置は、ADBの「新型コロナウイルス積極的対応支出支援プログラム(CARES)」の一環で、融資として2,500万ドル、アジア開発基金(ADF)からの無償支援として2,500万ドルを提供する。主に中小企業、製造業、社会的弱者の支援に使われることになる。
キルギス政府が「社会的弱者」と定義した180万人のうち22%が母子家庭世帯だ。これらの世帯には直接支援として食料品の配布が予定される。また、男女別でみると、女性の方がコロナウイルスから受ける打撃が強い。影響の大きい保健、サービスの両部門の被用者をみると、女性の比率がそれぞれ87%、60%と高い。
中小企業では経営者・被用者の30%が女性だが、ADBによると、女性の多い中小企業の支援の迅速化が計画されている。
キルギス政府は3月24日に緊急事態を宣言し、国境封鎖、外出制限、企業の営業停止などの措置を実施している。