フラウンホーファー研究所、人工知能で部品を認識するシステム開発

ドイツのフラウンホーファー・生産システム・デザイン技術研究所(IPK)では、人工知能(AI)を活用した画像分析技術を使い、自動車メーカーに搬入されてくる様々な部品を判別するシステムを開発している。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)により、例えば、ネジ、ホース、ケーブル、マイクロコントローラーなどの部品について、規格が同じだが大きさが異なる部品や、モデルシリーズに応じたターボチャージャーを認識することができるシステムの開発を目指している。

現在は、バーコードやラベルがついていない部品があると、倉庫に運び込む前に、従業員がカタログから該当する部品を探して判別しているという。研究チームが独自に開発したアルゴリズムでは、該当する部品を5~10種類に絞る込むことができる。

研究チームは、部品を判別する装置として、最大40センチメートルの部品が入る箱状の「Logic.Cube」を開発した。重量計と最大9台のカメラが設置されており、高さ・幅・長さなどを測り、マテリアル番号と共にデータバンクに保存する。

研究チームはさらに、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末やデスクトップ・パソコンでも利用できるアプリを開発した。アプリでは、表面の傷や浸食を認識し、画像上にマーキングする機能もあり、従業員が欠陥のある場所を確認することができる。

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