ポーランド国営の石油・天然ガス大手PGNiGがエネルギー・運輸分野における水素の活用に向けて新プロジェクト「水素―未来のためのクリーン燃料(Hydrogen
–
Clean
Fuel
for
the
Future)」を始動させた。今後4年で3,100万ズロチ(680万ユーロ)を投じ、水素ガスの貯蔵と天然ガスパイプラインを利用した輸送の可能性を探る。
新プロジェクトは主に3つの個別プロジェクトから成る。1つは自動車に水素を燃料として補給する水素ステーションの実証試験「ハイドラタンク(Hydra
Tank)」で、すでにポーランド・英国企業連合が実施業務を受注した。2021年までにワルシャワのヴォラ地区で整備される。
2つ目は、太陽光発電で水素を製造する計画「イングリッドー電力をガスに(InGrid
–
Power
to
Gas)」だ。2022年までに、西部ヴィエルコポルスカ県のオドラヌフで製造・貯蔵設備、輸送網を試験的に設置する。
3つ目はPGNiGの中央計測試験所を強化し、水素純度検査サービスを提供できる態勢を整えるプロジェクトだ。ポーランド国内で水素純度検査機関として承認されているところはまだなく、欧州でもまれという。
PGNiGはまた、水素を燃料とする電熱併給施設や、工場向け発電への水素利用についても実現の可能性を探る方針だ。(1PLN=25.82JPY)