スロベニアの自動車部品メーカー、ツィモス(Cimos)が国内3工場のうち、北東部マリボルと南西部セノゼチェの拠点で操業を再開した。北部ヴゼニツァの工場は月末に再開する予定。国営STA通信が13日、労組代表の話として報じた。
同社は新型コロナウイルスの流行を受けて4月上旬から工場を一時閉鎖してきた。当面は低調な需要に応じた生産体制を取る。流行が収束する見通しは立っていないことから、フル稼働の時期は未定という。
ツィモスはスロベニア南西部の港町コペルに本拠を置き、ターボコンプレッサーやタービンハウジング、パワートレイン部品、シャシ・車体部品を手掛ける。国外ではクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアに工場を持つ。
同社は長年にわたりスロベニアの主要輸出企業のひとつだったが、2008年の金融危機の打撃で経営難に陥り、自力再建が困難となった。このため15年に債務の株式化を通じて不良債権受け皿機関(バッドバンク)である銀行資産管理会社(DUBT)の管理下に入った。その後17年になって、伊投資会社パラディオ・ホールディング・グループ傘下のTCHコジェメに売却された。