EU統計局ユーロスタットが20日に発表した4月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は前年同月比0.3%となり、速報値の0.4%から0.1ポイント下方修正された。値下がりしているエネルギーの下げ幅が膨らんだことが反映された。(表参照)
ユーロ圏では新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞、それに伴う原油価格の急落を受けて、3月からインフレ率が急激に縮小している。4月は前月の0.7%を大きく下回り、2016年8月以来の低水準となった。
分野別ではエネルギーが9.7%下落。下げ幅は速報値の9.6%を上回った。工業製品は0.3%、サービスは1.2%の幅で上昇したが、上げ幅はそれぞれ前月から0.2ポイント、0.1ポイント縮小した。欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は0.9%で、前月から0.1ポイント縮小した。
EU27カ国ベースのインフレ率は前月を0.5ポイント下回る0.7%。主要国はドイツが0.8%、フランスが0.4%、イタリアが0.1%となっている。スペインはマイナス0.7%で、物価下落局面に入った。