クロアチア石油大手のINAは23日、自社のバイオエタノール生産プロジェクトを戦
略投資と認定するよう政府に要請したと発表した。認定を受けることで、手続きの
迅速化を図る狙い。投資総額2億2,500万ユーロのプロジェクト実施には政府及び欧
州連合(EU)の支援が欠かせないとの姿勢だ。
INAはグループ戦略「ダウンストリーム2023」のもと、製油事業をリエカ製油所に
集約し、シサク製油所をビチューメン生産・物流拠点に転換する計画だ。この一環
として、農産物の収穫時に発生する茎葉や野菜くず(農業残渣)、ススキなどを原
料とするセルロース系バイオ燃料プラント設置が検討されている。
具体的には、仏アクセンスの「Futurol」技術を導入し、年間5万5,000トン(7,000
万リットル)の生産能力を整備する方針で、今年2月に同社とライセンス契約およ
び基本設計契約を交わした。また、1月にはベルギーのデスメット(DSEC)に、プ
ラント以外の部分(OSBL)の基本設計を発注している。
INAは昨年9月、ススキを原料とするバイオ燃料生産実験を完了し、採算性があるこ
とを確認した。先月17日には、バイオ燃料プラントの原料確保に向けたコストが5,
000万ユーロに上るという推算を発表した。これにはススキの栽培費用も含まれて
いる。