ドイツ連邦雇用庁(BA)が30日発表した7月の失業者数は季節要因調整後の実質で前月を1万8,000人、下回った。BAのダニエル・テルツェンバッハ理事は、新型コロナ危機は依然として労働市場に大きな影響をもたらしているとしながらも、操短手当制度の活用で失業者の増加が抑制されているとの見方を示した。
名目失業者数は291万人で、前月を5万7,000人、上回った。7月は例年、夏季休業などで雇用が縮小するうえ、職業訓練の修了者や新卒者の多くが失業登録することから失業者が増加する。今年の失業者の増加幅は例年並みにとどまっており、新型コロナ危機の影響で7月に失業した人は少ないもようだ。
失業者数は前年同月比では63万5,000人増と大幅に拡大した。
失業率は6.3%で、前月を0.1ポイント、前年同月を1.3ポイント上回った。
国際労働機関(ILO)基準の6月の失業率は4.5%で、前月を0.1ポイント上回った。
操短手当の受給者は5月時点で670万人(暫定値)となり、前月の610万人から拡大した。ただ、3月は246万人となっており、4月から5月にかけての増加幅は3月から4月にかけてに比べて大幅に小さい。新規の操短が減少していることがうかがわれる。
7月の求人件数は57万3,000件で、前年同月を22万6,000件下回った。季節要因を加味した前月比でも5,000万件減少している。求人指数BA-Xは92で、前月を1ポイント上回った。前年同月比では35ポイント低下した。