アルテミス

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディのマークス・デュースマン新社長(2020年4月から。VWグループの研究開発事業担当取締役も兼任)が発足させた開発プロジェクト。アウディの将来を示唆するモデル(ハイテク・ベンチマーク)の開発をミッションとし、車関連の包括的なエコシステム(ビジネス生態系)や新しいビジネスモデルも開発する。プロジェクト名は、ギリシャ神話に登場する狩猟の女神、アルテミスに由来する。

プロジェクトの責任者は、モータースポーツのチーフエンジニアで、直近ではVWグループの自動運転技術の開発を担当していたアレックス・ヒッツィンガー氏が務める。

このプロジェクトユニットは、煩雑な手続きを省き、迅速に開発を進めるため、従来業務から分離した組織となる。また、VWグループの世界拠点のリソースや技術を活用することができる。当該プロジェクトは、VWグループ全体における将来の迅速な開発体制の青写真ともなる。

新プロジェクトユニットが開発するモデルは、高効率の電気自動車となる見通し。2024年を目途に開発する。

ヒッツィンガー氏は、トヨタ・モータースポーツの開発エンジニアとしてキャリアをスタートした。フォードではフォーミュラ1の開発チーフを務め、レッドブル・テクノロジーにも勤務した。その後、VWグループに転職し、VW傘下のポルシェのモータースポーツチームに携わった。さらに、米アップルに3年間、勤務し、自動運転車の開発に参画した後、2019年にVWグループに戻り、VWの小型商用車ブランド、フォルクスワーゲン・ヌッツファールツォイゲ(VWN)で自動運転技術や電気駆動のマイクロバス「ID.Buzz」を開発してきた。

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