ロームとヴィテスコ、SiC技術で協力

ローム(京都市右京区)は4日、独自動車部品大手コンチネンタルのパワートレイン事業であるヴィテスコ・テクノロジーズ(以下、ヴィテスコ)がロームをシリコンカーバイド(SiC)技術の優先サプライヤーに選定したと発表した。また、ロームとヴィテスコは、電気自動車向けパワーエレクトロニクスにおける開発提携も締結。共同開発事業を6月から開始した。

ヴィテスコは、SiCパワーデバイスの使用により、電気自動車向けパワーエレクトロニクスの効率をさらに向上させることができる。車載インバーターとモーターの最大効率を引き出すため、優先サプライヤーとしてロームを選出した。

高効率を特性とするSiCパワーデバイスは、電気自動車の車載充電池の電気エネルギーをより有効に活用できるため、電気自動車の航続距離伸長や充電池の小型化に寄与する利点がある。

両社は、SiC技術を使用して、量産化に最適であり、かつ、インバーターの最大効率を実現するシステムの構築に向けて協力する。ヴィテスコは、SiCソリューションの需要が大幅に増加すると予想される2025年に、最初のSiC搭載インバーターの生産を開始する予定。

ヴィテスコは、開発中の800ボルトインバーターですでに、SiC技術を使用したシステムの開発・試験を実施している。また、800ボルトだけでなく、400ボルトのバッテリー向けのSiC搭載インバーターソリューションについてもロームと協力していく。

ロームとヴィテスコは、いずれもドイツのニュルンベルクに拠点を持つ。ニュルンベルクは、ヴィテスコの本社のあるレーゲンスブルクからも近く、地理的な面でも利点がある。

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