VW、独ツヴィッカウ工場で内燃エンジン車の生産終了

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は6月26日、ドイツのツヴィッカウ工場で内燃エンジン車の生産を終了した。同場は1904年から116年の長期に渡り、内燃エンジン車を生産してきた歴史を持つ。VWは東西ドイツ統合後の1990年5月に同工場で生産を開始しており、この30年間で「ポロ」、「ゴルフ」、「ゴルフ・ヴァリアント」、「パサート・セダン」、「パサート・ヴァリアント」を合計で604万9,207台、生産した。

VWはツヴィッカウ工場を今後、電気自動車に特化した工場とする方針で、生産能力は最大で年33万台を計画している。2021年には同工場で、グループブランドであるVW、アウディ、セアトの電気自動車6モデルを生産する計画。

なお、VW傘下の高級ブランドであるランボルギーニとベントレーのSUV向けの車体は引き続き、ツヴィッカウ工場で生産する。

最後に生産した内燃エンジン車は、ドイツの顧客向けに出荷する第7世代の「ゴルフ・ヴァリアント」(2リットル・ガソリンエンジン搭載車)だった。

■ 電気自動車工場への転換に約12億ユーロ投資

ツヴィッカウ工場では、2019年11月から、VWの電気自動車「ID.3ファーストエディション」を生産しており、今夏には「ID.4」の生産を開始する予定。「ID.3ファーストエディション」は9月に出荷を開始する予定。

「ID.3」は、電気自動車に特化したモジュール式プラットフォーム「MEB」をベースにした初めての電気自動車で、航続距離の長さや、広い車内空間、ダイナミックな走行を特徴とする。

VWは、ツヴィッカウ工場に約12億ユーロを投資して、電気自動車工場への転換を進めている。当該作業は2021年から最終段階に入る。

「ゴルフ・ヴァリアント」を生産していた第6生産棟ではすでに、電気自動車の生産ラインの整備を開始している。今年末には電気自動車の生産を開始する計画で、VWの「ID.4」に加え、将来はアウディの電気駆動SUVモデルも生産する見通し。

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